マーヒーはニュージーランドの作家です。題名を見ると何を連想するでしょうか?彼女の作品にはこんな不思議な題名の作品が多いです。
主人公はハイティーンのアンジェラとボーイフレンドのティコ。アンジェラは山のてっぺんの不便な家で母一人子一人で住んでいます。アンジェラは魅力的な女の子なのでボーイフレンドには事欠きません。ティコは数多いボーイフレンドの一人なのですが、ティコが卑下するよりずっとアンジェラにとっては大切な存在です。
アンジェラ母娘も複雑な人間関係の過去を背負っています。同じ町にアンジェラの実父が、しかも裕福な生活を送りながら暮らしています。アンジェラはこの実父に「自分を見てもらいたい」そして願わくば「アンジェラ!」と呼びかけてほしいという願望を強めていきます。
ティコもティコで、家庭内に問題を抱えています。過干渉で過保護な母親、心理的に不安定な父親。
ストーリーはアンジェラの父との殺伐とした会見、そしてアンジェラの絶望と放浪、ティコと深まる仲などなど、まるで映画を見ているようなクライマックスへと劇的に進んでいきます。
ティコはアンジェラよりも背が低くてそのことだけが理由ではないのですが、ひどいコンプレックスを抱えていますし、アンジェラもアンジェラでどこかで孤独感に苦しんでいます。
十代後半の男女二人が主人公ですので、児童文学とは言えませんが、心の機微がまるで肉眼で見えるような表現の数々は、単なる読書で終わらない感動をこの作品は持っています。
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