ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィの四人の子供達が疎開先の年寄りの学者先生のお屋敷のたんすの中からナルニア国に行けることを発見し、ここで気の遠くなるような冒険をします。
最初にたんすの向こう側にナルニアという国があるのを見つけ出すのはルーシィです。
兄弟姉妹はおそらく、ピーターとスーザンが年長で、ルーシィとエドマンドが年下のようです。その年下の一人ルーシィがたんすの中をずーっと行くとナルニア国があるのを発見するのですがだれも信じてくれません。エドマンドはその次のチャンスに自分もナルニア国に行くことができました。でもそこでエドマンドは魔女に会ってしまいます。魔女は四人の人間の子供を手に入れればナルニア国の支配を確固としたものにできるので、まずはエドマンドを手なずけるために、エドマンドの大好物のプリンをあげます。しかもそのプリンは食べれば食べるほどもっと食べたくなるプリンでした。エドマンドはプリン食べたさのあまり三人の兄弟姉妹たちをだまして魔女のもとに連れてくることを約束します。エドマンドはいつも馬鹿にされているので、自分が威張りたいのでした。それにプリンも腹いっぱい食べたいのです。意地汚くてよこしまな心がエドマンドの中に巣くっていきます。
ストーリーは紆余曲折を経て最後はめでたしめでたしで終わりますが、最後の場面がとても不思議です。というのは、魔女が負けてナルニア国が平和を取り戻すことで終わるのではなく、そのまま四人は王位に就き、白髪まじりになり、もはや自分たちの故郷の人間世界の記憶も失うところまで話が続くからです。
なんだか記憶の深いところまで下っていくような不思議な感覚に襲われます。
それに、この作品を読んでいると、人間の心の縮図を見ているようで、いくら「はい」と言っても素直に行動できない自分自身のなかにも魔女やエドマンドのような存在がナルニア国に春が来るのを妨げているのだなと思わせます。
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