2010年5月17日月曜日

自分の要望でもっとも相手に伝わりにくいこと

 自分は相手に要求することでもっとも伝わりにくいこと、相手にこうして欲しいと願っているのにそれが全然に相手に伝わらない、そんなストレスは誰にでもあるのではないかと思います。私も生徒たち「ちゃんと聞きなさい」と繰り返し言うことがここ最近多くなっていました。ところが、家内から「またちゃんと聞いていないんだから」と立て続けに指摘されることがあって、「また私の言うことちゃんと聞いていないんだから」という家内のセリフ自体をスルーしていたことにようやく気付きました。そして、そのことに気付くと、自分が家内の言うことに耳をきちんと傾けていず、耳を傾けていないということ自体をスルーして、すなわち無意識に押し込んでいるのに、同じセリフを生徒に言っても伝わるはずがないということに気付きました。自分が、ちゃんと聞くことになんらかの強い抵抗をもっているのに、その同じ人物の「ちゃんと聞きなさい」という言葉は内容空疎なものにならざるを得ません。なぜならその発言や声の中に「私はちゃんと聴きたくない」というメッセージが影響力を行使しているいから、「ちゃんと聞く」というメッセージよりも「何も聞きたくない」というメッセージの方が生徒に伝わるからです。

 それでそのことを自分の意識にしっかりもたらし対象化して、自分でもわかっていないのだということを生徒に伝えたところ初めて「ちゃんと聞く」ということが生徒に理解してもらった瞬間がありました。自分で自分の前に大きな障害を作っておいたわけで、自分で置いたからには自分でどけるしかないのですね。

 だから、人間関係の中で円滑に進まない事柄あって、自分のストレスになっているとき、その障害を自分自身が作っていないかをまず点検してみる必要があるかもしれません。

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