2010年5月11日火曜日

トラウマを抱える子供の行く末

 子供時代に虐待その他のトラウマを受けて育った子供たちは、大人になってからフラッシュバックや心身の病など様々なトラブルに見舞われますが、同時に怖いのは、悪意ある他人の餌食になりやすいという体質を持ちます。
 たとえば性的虐待を子供時代に経験したこどもは夜道を歩いていて暴行される危険性がそうでない人よりも格段に高いといえましょうし、言葉の暴力や否定的な評価ばかり受けて育った人も職場その他で攻撃的な人格を持つ同僚や上司の標的にされやすいものです。
 実はこういう攻撃的な人格を持つ人も幼児期に何らかの虐待を受けた経験を持つ人が多いのですが、彼らの場合は攻撃者である親とその人格を一致させたために大人になってから攻撃する側に立つことが多いのですが、局面の変化で簡単に被害者に変身したりします。
 親の責務がいろいろあるなか、子供が自分の手を離れて自立していったあとにも、子供が周囲の犠牲者になりやすい体質(あるいは精神的な構え)は親の責任といえましょう。
 だが、場合によっては、子供が成人したあとに少なくないケースですが、今度は親が「自立」しないように足を引っ張るよう無意識に努力することもあります。
 これはそれまで長年培われてきた共依存関係に変化をもたらしたくないという子供側からの(と言ってももはや子供ではなく30歳、40歳の大人なのですが)要請に基づくのです。これが成人の引きこもりなのでしょう。

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