2011年12月12日月曜日

最近見た映画

最近見た映画について報告します。
 まずジャン=リュック=ゴダールの『映画史』です。これは1a、1bから始まり、4a、4bで終わる(と思われる)全部で8編からなる「映画」です。なぜに「」つきの「映画」なのかというと、それはドキュメンタリーでもなければ、通常のストーリーのある映画でもなければ、さりとていわゆる「実験映画」でもないからです。まだ全部みたわけではないですが、そのうちの一本を見ましたが、わずか40分くらいの長さですので、すぐ見終わるのですが、見終わった時点でまた最初から見たくなります。なので、もう4,5回見ました。それでも足りない感じがしますので、おそらく今後さらに4,5回みることになるでしょう。
 内容は、これまでに公開された映画(古いものはリュミエール兄弟あたりから、新しいものでもせいぜい70年代くらいのものでしょうか。まだ検証していません)、のモンタージュでありコラージュになっています。しかも、著作権があるのかどうかわかりませんが、ゴダールはそれらの映画の各シーンを自由自在に切り刻んで、中にはゴヤだとかマネだとかフェルメールだとか絵画が挿入され、正直「いったいこれは何なの?」という反応でした。「???」の反応しか生じないのです。
 私は字幕なしで見たのですが、合間合間にやさしいフランス語の字幕(スローガンに似ています)や朗読がBGMとして流れます。むしろ、これらの朗読のほうがメインで映像は副次的な効果として利用されているとみなすことも可能です。
 私は映画評論の詳しいことはわかりませんが、このゴダールの『映画史』は大きな衝撃でした。
 「言葉」というものを私たちはふだん真剣に聴いていないことを気付かされました。
 どういう理由で衝撃を受けたのかまだ整理されていないですが、芸術の最先端、アヴァンギャルドという意味での短命な衝撃なのではなく、思索を必要とするような衝撃でした。それだけに、人間存在の根源を問うだけの力をこの作品は持っており、それだけに普遍性を持つ作品と感じました。

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